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ドイツ🇩🇪ショートプログラム③ 〜ラベート小学校・ライフェンベルク小学校〜

2025年11月25日の午前中はラベート小学校(schule am rabet)に訪問しました。

ドイツの小学校は日本と異なり4年間で、その後は進路によって別の学校に進学するのが特徴です。

この小学校には80%の移民背景を持つ子どもたちがおり、生活保護を受けている両親の割合も高いそうです。案内してくださった先生は、「この背景には地域性が絡んでいる」とおっしゃっていました。州が自治権を持つドイツでは州政府によって、強制的に暮らす場所を決められたり、土地が安くて貧しいところに追いやられたりして、移民背景を持つ子どもたちが増えたといいます。一つの地域に移民が集まるという状況は日本においても同じではないでしょうか。

移民が多い学校では通常クラスに加え、「Daz」という第二外国語としてのドイツ語を学ぶ授業があり、この学校においても行われていました。ドイツ語がまったく分からない子たちが来て通常クラスとDazをとらなければならないのは子どもたちにとって負担であり、先生方も対応に苦労されているようでした。また、障害を抱える子供たちも在籍しており、一人につき一人を基本とした加配の先生がいるものの、完璧にうまくいっているとは言えない現状も見えてきました。子どもたち一人ひとりの可能性を伸長するための教育の質をどうすれば上げられるか考えていく必要があると感じました。

学校の概要や現状を説明していただいた後は、二つの授業を見せていたただきました。

一つ目は一年生の通常クラスのドイツ語の授業です。

子どもたちはさまざまな方法でNを作るという活動をしていました。体を使って学習することで記憶に残りやすいものになるなと感じました。

また、教室内は時間割を始め、クラスルールなど物事を表すものがいたるところで絵や写真で示されていました。視覚的にわかりやすいこと、みんなにとってわかりやすいことが意識された教室づくりなのではないかと思いました。

 

二つ目はDazの授業を見せていただきました。

感情を表す語はドイツ語でどのように表現するのかについての内容でした。

まずはドイツ語で今日の日付や天気を何というかから始まりました。日本の外国語活動や特別支援教育の朝の会のやり方と似ているなと感じました。ドイツ語が全く分からない子もいる中で、少しづつドイツ語に慣れ、使えるようになるために工夫がされており通常クラス以上に絵やイラストを用いて授業が進められていました。

感情の表現の仕方を知ることは相手に自分の気持ちを伝えることにつながります。基本的な挨拶や読み書きから始まる、日本で行われている日本語教室とは違いがみられました。

11月26日はGrundschule Reichenberg(ライフェンベルク小学校)を訪問しました。

日本のことが大好きな先生がおられ、子どもたち含め大歓迎してくださいました。

これは国語の授業の様子です。

紙芝居を用い、登場人物の気持ちについて考えた後、自分にとって大切な言葉を付箋に書き、前の黒板に貼っていました。

このクラスには感情のコントロールに困難を抱える生徒が在籍していました。1年生の頃は、クラスをどうまとめていくか、そしてその子どもや保護者に対してどのようにアプローチしていくか苦慮したそうです。しかし、先生の懸命な働きかけによって保護者が理解し、外部支援へと繋がり、加配の先生が加わったり保護者との面談の時間をもてるようになったりしたといいます。先生の子どもや保護者との関わり方によって、当人もクラス全体にも影響を与えることがわかります。

Screenshot

最後に子どもたちからドイツ名物であるシュトーレンのお土産をもらいました。私たちも多くのことを学ぶことができ、ドイツの子どもたちにとっても異文化交流の機会になったのではないでしょうか。

長くなりましたが最後までご覧いただきありがとうございました。

*本記事は荒嶋祐佳さん(本学科小学校教育コース2年生)による執筆です。