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一覧はこちらドイツ🇩🇪ショートプログラム④ 〜KITA(総合保育施設)・幼稚園〜
本記事では、幼児教育・保育施設について紹介します。今回のプログラムでは、ドイツの保育施設であるKITA(総合保育施設)と幼稚園の2つを見学させていただきました。
まず、11月21日(金)にヒルデガルトKITA(Kita Hildegardstraße)を訪れました。「KITA」とは「Kindertagesstätte」の略で、保育園と幼稚園を合わせた総合保育施設を指します。

乳児クラスでは、遊び環境の豊かさがとても印象的でした。保育室にはおもちゃだけでなく、テントやすべり台、登れる台、壁面の遊びスペースなどがあり、子どもたちは自由に部屋を動き回って遊んでいました。友だちの遊びに興味を持ち、一緒に遊び始める姿も見られました。
幼児クラスでは、朝と夕方に「オープンコンセプト」を取り入れ、日中はグループ活動を行っています。オープンの時間は自分の好きな遊びをすることが目的で、グループ活動は、みんなで一緒に動くことや、必要なときに大人に許可を得ることなど、生活の中で大切になる基本的なルールを身につけるための時間になっています。オープンの時間では、ビーズ遊びや塗り絵、ごっこ遊び、ぬいぐるみ遊びなど、子どもたちが自分で遊びを選び、友だちと関わりながら主体的に過ごしている様子を見ることができました。

この園には外国にルーツを持つ子どもが多く通っており、多言語に対応できる先生がいます。それに加え、子どもたちが安心して過ごせる環境づくりも徹底されていました。例えば、絵カードの活用や、床に足形のマークをつけて移動先や並ぶ位置を分かりやすく示す工夫、右上の写真の「補助的代替コミュニケーション」のパネルの掲示などです。
先生が「多国籍であることは難しさもあるが、問題ではない。問題だと思っている先生は1人もいない」と話していたことが特に心に残りました。
次に、11月24日(月)に、アム・グーテンベルクプラッツ幼稚園(Fröbel-Kindergarten Am Gutenbergplatz)を見学させていただきました。この園には、1歳児から就学前までの子どもたちが通っており、3歳以上のクラスでは「オープンコンセプト」と呼ばれる、自分で遊びを選び主体的に活動する保育が行われています。

乳児クラスには15人ずつのグループが2つあり、それぞれに3人の先生がついて生活を共にしています。ここで大切にされていたのは、子どもの「自立」です。
例えば、服を着る場面では、大人が手伝った方が早くて簡単ですが、あえて子ども自身にやってもらうことで、「自分でできた」という達成感を育んでいました。こうした乳幼児期の自立の積み重ねが、幼児期からのオープン保育を可能にする基盤になっていると感じました。
幼児クラスでは、子どもたちは廊下に掲示された地図を見て、その日の活動内容や担当の先生を確認します。そのうえで、自分の興味に合わせて好きな部屋に行き、遊びを選びます。

部屋の種類も多様であり、室内遊具あり運動できる部屋や、演劇室、園庭、運動室、アトリエなどがあります。おもちゃが用意された部屋の他に、演劇室、遊具があり室内で運動できる部屋、園庭、そしてアトリエ(制作室)などがあります。アトリエでは、子どもが自分で材料を選び、思い思いの作品づくりに取り組んでいました。材料棚には手のマークが貼られており、「緑のマーク:自由に使ってよいもの」、「黄色のマーク:先生に確認してから使うもの」と視覚的に分かりやすく示されていました。
また、1人で落ち着きたい子が過ごせる静かな部屋も用意されており、子どもの気持ちに寄り添った環境づくりが徹底されていました。

園全体として「遊びの中で学ぶこと」を大切にしており、先生たちは子どもが遊びを通してどのような経験をしているのかを丁寧に見極めようとしていました。
単に遊びを提供するのではなく、子どもの興味や発達に応じて環境を整え、学びが深まるように関わっている姿が印象的でした。
*本記事は鹿取優里さん(本学科保育幼児教育コース3年生)による執筆です。