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サンフランシスコから 小学校の先生にお越しいただきました

 2026年7月10日、「日系アメリカ人をはじめ、アジア系移民が多く暮らす地域の小学校で教員として活躍されている田中淳子先生をお招きし、教育実習指導の一環でご講演いただきました。

 講演は、単に海外の教育について学ぶだけでなく、これから教師を目指す学生が自分自身を見つめ直すことの大切さについても考える機会となりました。田中先生は、「どのような教育を受けてきたのか」「どのような価値観や世界観をもっているのか」といった、自分自身の経験や考え方を振り返ることが、大切な一歩になるとお話しされました。 

 また、サンフランシスコにおける日系移民の歴史についても学びました。現在、お勤めになられている学校は、日系三世の方々が「子どもや孫の世代にも日本の文化や言葉を受け継いでほしい」という思いや、「社会の中で人権や社会正義について考えられる子どもを育てたい」という願いをもって設立されたことを知りました。
 さらに、小学校4年生を対象に、日系アメリカ人のフレッド・コレマツの人生を劇にして学ぶ授業について紹介していただきました。第二次世界大戦中の日系人の強制収容という歴史を子どもたちが演じながら学ぶことで、人権について主体的に考える教育が行われていることを知りました。講演では、アジア系の人々への差別は、黒人差別とは切り離された問題ではなく、それぞれの歴史や背景が関わり合っていることについても学びました。また、サンフランシスコの日系・アジア系コミュニティの複雑な歴史や関係性を、当事者の視点から理解することの重要性が紹介されました。

 そのほか、文化や言語の違いによって生まれる教育格差についても、多くのデータをもとに説明していただきました。言葉の壁によって学習成果に差が生まれることや、知識を一方的に教え込むだけでは子どもたちの学びにつながりにくいことなど、多文化社会における教育の課題について理解を深めました。

 愛知県には、外国につながる子どもたちが全国でも多く在籍しています。将来教師になる学生は、教える立場になる一方で、外国につながる子どもたちが感じる困難や不安を実際に経験する機会は多くありません。だからこそ、海外の日系移民の歴史や教育について学ぶことを通して、自分とは異なる立場の人の気持ちや社会の課題を理解しようとする姿勢が大切であることを学びました。
 講演を聞いた学生からは、「自分自身がどのような立場(ポジショナリティ)から物事を見ているのかを改めて考える必要があると感じた」「教師を目指すうえで、自分の価値観を問い直すことの大切さに気づいた」といった感想が多く寄せられました。今回の授業は、愛知県という多文化社会で子どもたちと向き合う教師として必要な視点を学ぶ、非常に貴重な機会となりました。